2018年02月23日

蓮華寺

panorama1

 蓮華寺は拙宅から京都バスの大原行に乗って、十分くらいでしょうか、岩倉方面へいくのと道が分かれてすぐの三宅八幡の次の停留所、上ノ橋ってバス停で降りてすぐ、市内から八瀬・大原へいく自動車道のすぐ脇にあります。実はきょうは片道徒歩で、十分歩いていけることが分かりました。長年京都に住みながら長い間行ったこともなかったのです。

額縁庭

 でも一度訪れてからは、私の魂の隠れ家みたいな場所になりそうです。
 きょうは私のほかに誰一人訪れる人もなく、ひとりで2時間くらい、お座敷でぽけーっと庭を眺めて過ごしました。
 スケッチブックを取り出して、庭の光景を一所懸命スケッチしましたが、絵はもともと下手だし、練習したこともないので、30分くらい描いた結果、汚いくねくねの線が画面いっぱいにあるだけの落書きにしかなりませんでした。ちょっとスケッチができくらいはトレーニングしておくのだったなぁ・・

池正面

 私が座敷に入って行ったとき、池の畔で水面を覗き込んでいた大きなクロサギが羽ばたいて飛んで行きました。近くで見るとすごく大きいですね。池には大きな錦鯉が棲んでいるので、それを狙っているのかな、と思いましたが、帰りに若いお坊さんがおっしゃるには、池には小さい魚も入っているので、それを食べられてしまうので、もし来ていたら追い払わないといけないのです、とのこと。ずいぶん貪食らしいのです。


はしら

 この柱と縁の佇まいも素敵です。この縁側に腰をおろして、きょうは暖かな陽射しでぽかぽか、とっても気持ちが良かった。


陽射しの縁

 縁側に木漏れ陽が射してまだら模様。ちょっとした光景がどれも好みです。

本堂への渡り

 スリッパをはいて本堂へ渡るのに、板敷きの回廊がしつらえてあります。苔もほどよく岩や木々の間を柔らかにうずめる緑が綺麗で・・・お洒落な若い人がここを渡って行くだけで素敵な絵になる場所でした。


右端池

 池では、むこうに見える石橋が好き。あの世へいく橋なのかな?(笑)

左池

 小さくしかみえないけど、このお寺の灯籠の頭は急傾斜でちょっと特色があるのです。

蔵

 蔵の入り口がちょっと覗いていたりして・・・毀れそうな古びた重々し気な扉。

苔庭

 蔵の横の苔のひろがるところも、とても綺麗。

手水1

 縁の端にお手洗いがあって、その前に手水が・・ 注水する竹筒の突き出した鋭い切っ先がいいな。

手水

 天然石の手水鉢越しの庭、石橋。

美しい庭と座敷

 ふと気づくといつの間にか、わたしのすぐそばに誰かが座っていて、ただ一緒に庭を眺めている、そんな錯覚を覚えました。何も言わず、ただじっとそこに座って、私の心に寄り添っていてくれるだけだけれど。もちろん老人性幻覚(笑)。

鐘楼

鐘楼には不釣り合いなほど大きな苔生した屋根がかぶさっていました。

お地蔵わま

これは門を入ってすぐ左手にあるお地蔵様大集合の館。

帰り道
 
 お帰りはこちら。大きめの敷石を敷き詰めた門までの一直線が美しい。
 贅沢な時間が過ごせました。素敵な想いでのほかには何も要らない。
 バベットの晩餐会のラストで、バベットが有り金をすべて一夜の祝いの食卓に費やしたことを知った老女が、天国へ持っていけるのはあなたが与えたものだけよ、と聖書の言葉を言う素敵な場面があります。とても好きな場面、好きな言葉で、帰り道、あのシーンを思い出しながら歩きました。





saysei at 22:43│Comments(0)

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