2010年05月29日

『トモスイ』(高樹のぶ子)

 文芸誌「新潮」6月号に掲載されている川端康成文学賞受賞作で、わずか6ページ(原稿用紙で18枚だそうです)の短編ですが、なんともすごい小説です。

 通常の男女の露骨なからみなど全然出てこないのだけれど、そんなのよりずっと濃厚なエロティシズムを孕んでいて、たった6ページを読んだだけなのに、ものすごいシーンを見てしまった!みたいな密度の濃い読後感があります。

 なんと言いましょうか、北斎の描いた漁師の妻の夢のような、と言っちゃったらヤバイかなぁ(笑)。いやもう、これは読んでもらうしかない。でも私が薦めたとは言わないよーに。

 ダブルファンタジーのときも同じせりふを吐いたけれど、読むならママに内緒でお読み、と言っておきましょうか。でもこちらは劇画風のシーンが出てくるわけではありません。

 いわば抽象度の高いポルノグラフィですから、”感じる”には想像力が必要。そいつを使うと作品の核にひそむ毒がどろりと溶け出してきます。それはたまらなく美味なる毒であります。
 


saysei at 01:02│Comments(2)TrackBack(0)

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この記事へのコメント

2. Posted by saysei   2011年05月28日 22:58
ご指摘ありがとうございます。もちろん「高樹」さんですね。
1. Posted by 高樹さんは   2011年05月27日 09:32
高城、じゃないでしょう(微苦笑)

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