2023年08月

2023年08月30日

電動アシスト自転車

電動アシスト自転車1
 孫のママに誕生日祝いに贈ってもらった電動アシスト自転車、きょうがこの自転車の初乗り。といってもまだごく近いところへ用で往復しただけですが、快適でした。とくに乗って漕ぎ始める時、普通の自転車だと上り坂はむろんのこと、平地でもタイヤが回転してくれるまで、今の私には結構力が必要で、しんどいのですが、この自転車はらくらくでした。ほんとにありがたい。

電動アシスト自転車2
 電動自転車は重くてコントロールしにくいと言う人もいて、ながいあいだそれほど本気でほしいとは思っていなかったのですが、実際に扱ってみるとたしかに普通の自転車よりは重量感がありますが、年寄りの私でも十分コントロールでき、フラフラもしなくて、むしろどっしり安定感があります。今夜は充電しておこうと思って電池を取り外したら、これが結構重量があるのですね。電池が老朽化して傷んだら交換が必要になるけれど、ほとんど安い自転車が買えるほどの値段のようで、電池が電動自転車の核心なのでしょう。自転車本体にも電池にも鍵がかかるようになっているし、もちろん防犯登録もしてくれています。

 これがあれば、体調がいいときなら、また鹿を見に行ったり、府立大学図書館(歴彩館)へ行ったり、上賀茂野菜の自動販売機めぐりにも行けそうな気がします。一段と呼吸機能が衰えていて普通の自転車ではもう無理だろうと思っていたので、ありがたいことです。もう少し涼しくなったらチャレンジしてみましょう。

きょうの夕餉

★アマダイの塩焼き
 アマダイ(ぐじ)の塩焼き。ちょうどいい塩加減で、おいしいグジでした。

ぐじの骨づゆ
 グジを食べる楽しみは、あとのこの「骨づゆ」。すばらしく美味しい。

★サンドマメの胡麻あえ
 サンドマメの胡麻和え

★胡瓜味噌
 キュウリミソ

★人参葉のナムル
 人参葉のナムル

★あげとなすの煮物かけ冷奴
 アゲと茄子の煮物かけ冷奴

★もずく酢
 モズクきゅうり酢

(以上でした。)






saysei at 20:51|PermalinkComments(0)

2023年08月28日

きょうの夕餉 '23-8-29 & 『夏物語』(川上未映子)

★鮭カマの塩焼き
  鮭のカマの塩焼き。脂をたっぷり含んだカマの美味しいこと!

★蒸しナスの胡麻クルミ味噌のせ
 蒸し茄子の胡麻クルミ味噌のせ

★シイタケの肉詰め焼き
 シイタケの肉詰め焼き

★スジコン大根煮
 スジコン大根煮

★キュウリカツオ
 キュウリカツオ

★カボチャ煮
 カボチャ煮

★サラダ
 グリーンサラダ

★もずく
 モズクきゅうり酢

(以上でした。)

 きょうは川上未映子の『夏物語』を読了しました。これもなかなかいい小説でした。主人公の姉が豊胸手術につよく惹かれる話が前半の軸になり、後半は主人公自身が人工授精につよく惹かれていることが話の軸になっていますが、全体として貧しい庶民の日々の暮らしや思いのディテールを飽くことなく描き出していく「語り」にこの作品の真骨頂があるように思いました。人工授精の話も、そういう人間が生きる意味、生れて来る意味、そこにそうして存在してしまうことの意味を根源的に問うということで全体の分厚い語りの層と密接に関連しています。

 この作家は『先端で、さすわさされるわそらええわ』というちょっとタイトルを言うのもはばかられる(笑)詩で中原中也賞を受賞して出発した人で、その後に書いた初期の作品も私は読んだことがあるのですが、もうずいぶん以前だから中身はすっかり忘れてしまったものの、「ヘヴン」とか「すべて真夜中の恋人たち」など、いずれも良かったという印象だけ残っています。

 そして、そのころは文中の二、三行を拾って書き写してみると、とんがっていて、つよく印象に残る喩的な表現があったりして、吉本さん流にいえば、自己表出性が突出したような、作者独特の声、独特の文体が、とても見やすい形で見える所があったように思います。吉本さんのいわゆる「文学体」をベースにした表現で、おそらくそれは詩から散文へ移ったときにも引き継がれた名残のような者だったかと思います。

 しかし、先日読んだ最新作「黄色い家」も、きょう読み終わった「夏物語」も、そう言ってよければ、全編を通じて、そのように突出した喩的な表現だとか激しい視点の転換だとか、自己表出性を強調してそれ自体としてひたすら新たな高みを目指す、いわば詩的な表現のようなところは、ひとつもありません。ある意味で、いわゆる「文学臭」のない、誰にでも普通に読んで普通に理解できる平易な日常語、吉本さんのいう話体で書かれていて、話すように書かれた<話体>をベースにした物語だと思います。

 こうしてみると、この作者は、前衛的な詩から始まって、文学体をベースに小説を書いてきて、次第に話体のほうへ下降してきたのだと言ってもいいでしょう。そして、書かれたテーマ、内容はその文体と完全にマッチしています。こういう内容だからこういう文体が必然になった、とも言えるし、こういう文体であるからこそ、こういう内容が書けたとも言えるでしょう。そこはもう少し具体的にこの小説の文章に即してエビデンスを挙げながら示さないといけないでしょうが、恐らく間違いないと思います。

 話体への下降は、通俗化とはまったく異なるもので、物語を語る言葉としてちっとも風化しない、自己表出と指示表出が絶妙のバランスをとって高い水準で安定した言語表現を生み出していると思います。おそらくこの「夏物語」と「黄色い家」が、この作家のいまの最高の到達点だろうという気がします。もう少し遡って、以前読んだ作品も再読して見たいと思っています。





saysei at 20:58|PermalinkComments(0)

2023年08月27日

きょうの夕餉 '23-8-27

★蒸しナス冷奴
  蒸しナス、オクラ、ミョウガ、冷奴のだしかけ

★鯛のアラダキ
 鯛のアラダキ。HELPで淡路の鯛と書いて300円台で売っていたそうです。これが身のほうだと700円台はするそうです。
 アラだから身がすくないとはいえ、結構食べられるところがあるし、それは一番美味しい所でもあります。わが家の大好物。私は鯛は好きではない(とくに刺身とか)けれど、このアラダキとかアラの酒蒸しとかいうのは大好き。なにせ美味しくて安いのがいい(笑)

★モロヘイヤ
 もろへいや

★カニ棒大葉紅ショウガのかきあげ
 カニ棒、大葉、紅ショウガのかきあげ

★上賀茂カボチャ煮
 上賀茂のカボチャ煮

 きょうは『夏物語』を半分まで読みました。あとは「ソドンヨ」(笑)。少々さぼり気味です。





saysei at 22:19|PermalinkComments(0)

2023年08月25日

「カイワリ」という魚

★カイワリの塩焼き
 きょうの夕餉のメインディッシュはこの「カイワリ」というお魚。私たちは初めていただきました。カイワリ(貝割)というのは、尻尾が二枚貝を開いた形だから、東京でそう呼ばれてきたのだそうです。
 スズキ目のアジ科のお魚で、たしかに胴体の皮の銀色の光り方とか食べても美味しい皮の触感とか、身の美味しさとか、普通の鯵と似ていました。とても美味しいお魚です。
 塩焼きにいい、と店のカードに書いてあるだけで、美味しいも、どんな魚の味に似ているとも書いてないし、初めての魚だったから、大きいのを買って癖があると厭だと思って小ぶりのをパートナーが買ってきたのですが、食べてみて大きいのを買うんだった、と言っています。

★牛筋蒟蒻煮
 牛筋と蒟蒻の煮物

★かぼちゃのサラダ
 カボチャのサラダ

★蒸しナスミョウガのだしかけ
 蒸しナス、オクラ、ミョウガのだしかけ

★モズクきゅうり酢
 モズクきゅうり酢

★五目納豆
五目黒豆納豆

★グリーンサラダ
 グリーンサラダ

(以上でした。)







saysei at 20:58|PermalinkComments(0)

「物価指数」の話~きょうの日経新聞から

 いま実に多くの商品やサービスの価格が著しく上がって、家計を圧迫しています。そのことに関して、きょうの日経新聞の「経済教室~インフレの展望と金融政策(下)」として掲載された、稲倉典子四国大学教授と阿部修人橘大学教授の連名による「物価分析、購入頻度も考慮を」と見出しのついた記事は、たいへん興味深く、また啓蒙されもしました。

 ふつう物価の推移を見る場合に、政府が発表している公式のCPI(消費者物価指数)の推移を見る事が多いわけですが、現時点での、つまり23年6月時点での前年同月比でみると、その指数は3.9で、それ以前の推移は凸凹はあるものの、急激な上昇や下降を伴わない比較的穏やかな曲線のグラフであらわされます。
  
 一方、日本銀行がやっている消費者の「物価実感」に関する調査の平均値では、その値は14.7%と大きな隔たりがあります。物価上昇時に、実際の物価上昇よりも主観的な実感のほうが高くなるのは実感的にも納得できるし、ふつうなのだそうですが、それでもこれだけ両者の乖離が大きいのは珍しく、無視することはできない、というのが著者らの独自の物価指数の提示に結びついたようです。

 その独自指標というのは、CPIの算出基準に使われている、ものの価格によるウエイトではなくて、購入頻度をウエイトととして用いた計算で、CPIと同じく持ち家の帰属家賃を除いた全品目について、購入頻度をウエイトとする物価指数で、先と同様6月の前年同月比をみると、8.4と、「物価実感」により近づいています。
 計算のもとにしたのは「家計調査年報」で、月2回以上購入している商品、サービス(ポテトチップ、豆腐、ポリ袋、診療費など29品目)、月1回以上購入している商品、サービス(食料品、ガソリン、台所用洗剤など84品目)、つまりCPEが対象とする全品目582の7分の1を月に1回消費者は購入しており、そうした購入頻度が消費者の物価を推定する根拠となり、その消費行動と相関しているのではないか、というのが筆者たちが考えたところなのでしょう。

 さらに、参考のためといって、週1回以上購入品目、購入頻度をウエイトとする物価指標を計算してみると、その6月での前年同月比は13.0で、日銀の調査した「物価実感」に最も近くなっています。

 たしかに「物価実感」と「独自指標」の物価指標の推移を見比べれば、動きが異なる時期があり、CPIが大きく動きを見せていない20年までは、両者の関係は強いとは言えません。それは、一般に物価の値下げよりも値上がりを重要視する傾向や、価格が大きく動かないと物価の動きとは認識しない傾向があるためと筆者らは述べています。

 しかし、購入金額よりも購入頻度をウエイトとして算定された物価指数のほうが、より「物価実感」に近いことが、この研究結果から明らかに見てとれます。もちろんCPIの算出にあたっても、購入金額と購入個数(回数すなわち頻度)を掛け合わせた、購入金額のウエイトのうちに頻度は含まれているとは思うのですが、金額をウエイトとすることで誤差が大きくなっているのでしょう。

 総務省も頻繁に購入する品目として年間15回以上購入した品目について物価指数を算定して発表しているそうですが、それは総合指標と大きくは変わらないそうです。

 筆者らの研究結果をこうしてグラフでみると一目瞭然、大変興味深いもので、CPIの低く推移する指標値をみて、まだこんなに物価は上がっていないのに、なぜ消費者の買い控えや需要不足が起きるんだろう?などと首をひねっても答えが見つからないのは当然で、消費者の「物価実感」に近い筆者らの、購入頻度をウエイトにした「独自指標」のほうに消費者を実際に動かし、市場を動かす動因があることは明らかな気がします。

 しかしこういうことは、率直に言って、消費者に言わせれば、あたりまえのことじゃないか!と言いたくなるところがあります。少し日常的な買い物をやっている人間なら、だれだって、毎日のように買っている野菜とか牛乳とか、魚とか、そういうものの値段があれよあれよという間に上がっていくのを見て「物価がひどく上がっていく」のを実感し、物価というものを認識しているのであって、そんなことは経済学者などに言われなくたって、みんな分かっていることではないか。

 まあそういう実感的にはあたりまえのことを、実証的に調査をし、解析して、数字を挙げて、相関関係を調べてはじめて学問的にはエビデンスのある主張として認められるのでしょうが、わたしたちド素人の消費者から見れば、今まで経済学者はそんなことも分からずに「CPI(消費者物価指数)」なんてものを「真の物価」として公表してきたのか!とむしろ驚きあきれてしまいます。

 そんな数値をあてにして、市場の動向をうらなうとか、消費者行動を明らかにする、なんて、できっこないじゃないですか(笑)。だって、物価指数を3.9とするのか、13.0にするのかで、その「市場動向」だって「消費者行動」だって、全然異なる結果が出てくるに違いないでしょう。それは決して無視できるような違いではないのではありませんか?

 いや、大変興味深い分析を拝読いたしましたが、同時に、近代経済学というものが、まだこの程度の黎明期にある、あてにならないものだ、ということをあらためて思い知らされた次第です。

saysei at 17:31|PermalinkComments(0)
記事検索
月別アーカイブ