2019年05月

2019年05月16日

賀茂の社家 西村家別邸

122 社家西村家入口

  上賀茂神社から大田神社への道の途中に、「京都市指定名勝庭園 賀茂の社家 西村家別邸」と書かれた看板の立っているおうちがあります。
 
 上賀茂神社の社家だった錦部(にしごり)家の旧宅の庭園だそうで、明神川から庭園内に水を引き入れ、再び川に戻すというこの地域の社家庭園特有の水利用形式に庭だそうです。

123 社家西村家庭園正面
 500円を払って中へはいり、座敷から正面の庭を眺めると、ふっと気持ちが安らぐようでした。素敵な庭の景観です。
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 ほかに2人しか客もなく、静謐そのもの。しばらく座敷でぼうっとしていました。
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 座敷に坐って右手。

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 少し左へ。
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 おなじく

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 これが正面。上賀茂神社のご神体山である神山(こうやま)の降臨石をかたどったと伝えられる石組みが作られているのも、上賀茂の社家庭園ならではの意匠だそうです。

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 左手
131 井戸
 そこにこんな円形の深さ1mほどの石組みの井戸のようなくぼみがあります。解説によれば、冷水を浴びて身体の汚れを去る「水垢離(みずごり)」の場として用いられたものとみられるとのこと。これもこの庭園の特色のひとつです。
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 そう言えば以前にNHKテレビで下鴨神社の社家鴨脚(いちょう)さんのおうちを撮影していたときも、もう少し大きな井戸だか池だかわからないような水をたたえたくぼみがあって、その水位が京都の地下水の水位をあらわすんだ、という話がありました。その水位によって、池の形が四角になったり円形になったりする、と。それとは違うようですが、やっぱり何か神事に関係した水、という点では社家に共通するものがあるのでしょう。

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やや右手。流れが見えます。
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庭へ降りるところの沓脱の石組み。
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 少し部屋の奥へ引いて撮影すると、川の流れを引いたという庭内の流れがよく見えます。
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 庭だけではなく、このおうちそのものが素敵な文化財です。柵や柱や商事の見せる直線が美しい。
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 こういう空間にいると、それだけで楽しい気分になります。
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 賀茂社の神主の系譜が掲げてありました。
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 これはこの邸内の俯瞰図。
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 お座敷の棚。
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お座敷の出入り口の脇。
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 玄関からお座敷へいく通路の右手に開いていた小部屋。向いが茶室ですから、その用意をする水回りの小部屋でしょう。
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 窓から覗いた庭。
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 茶室ですね。
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 玄関はいったところで撮影。
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 玄関を出たところ。
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 玄関を出た右手。
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 そこにいらした方が、こっちの庭も見ていいよ、と招いてくださったので、遠慮なく庭を拝見してきました。
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 池があって、周囲を小道でぐるっと回れるようになっています。
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 おうちも素敵。
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 とても涼し気な空間。
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 沓脱の部分。
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 池のふちには色んな石組み。
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 ぐるっとまわると色んな角度から池の変わる光景が楽しめます。

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 いまはどこも新緑が美しいけれど、この庭も緑がいっぱい。
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 邸宅もいろんな角度から眺められて飽きません。

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 ゆがんだガラスは古い替えのきかない貴重なガラスでしょう。

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 石橋のかかる池。

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 楓の新緑がまぶしい。

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 錦鯉が泳いでいました。

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 灯籠をはじめ、いろんな石組みが。

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 池を隔ててみる邸宅。

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 少し角度をずらして。

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 この石、なんだかわからないのですが、なにか描かれているような・・・

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 お庭のみおさめ。

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 最後に振り返って。

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 お帰りの通路。

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 途中に扉が。
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 外へ出ると、そこは大田神社から上賀茂神社をつなぐ道。

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大田神社 かきつばた群落

101  上賀茂神社

 葵祭の行列を全部見たところで、偶然にも上賀茂神社行のバスが来たので、思わずとびのって、そのまま終点の上賀茂神社へ。でもそこで午後まで行列を待ってもう一度見たかったわけではなく、行列を迎える準備であわただしい神社の様子をちょっと覗いて、本当のお目当て、大田神社へ。

 大田神社は上賀茂神社から東へ500mほどの距離にある、現在は賀茂別雷神社(上賀茂神社)の境外摂社(第三摂社)になっていて、天鈿女命(あめのうずめのみこと)を祀っていますが、上賀茂神社の神様がここへ居を定められる以前から祀られてきた古い神社のようです。
102 大田神社への道
 上賀茂神社から大田神社への道はとても素敵です。流れに沿って立ち並ぶ、おそらくは神社に仕え、守ってきた加茂の社家の土壁の邸宅がずらっと並んで、とても美しい景観を作り出しています。

103  大田神社への道2
 西を振り向くとこんな感じ。
104 くすの大木
 途中にこれは楠だったか、巨木が。

105 筝 三弦教室
 「筝 三弦教室」なんて看板がかかったおうちも。

106 大田神社
 これが大田神社。樹高の高い樹々に覆われています。
107 かきつばた群落
 お目当てはこれ。神社の鳥居をくぐってすぐ右手脇にある、大田の澤のカキツバタ群落です。およそ2千平米の敷地に、カキツバタ25,000株が自生し、平安時代からカキツバタの名所とされてきたそうです。いまがその花の盛りです。
108 かきつばた

 私には、カキツバタもアヤメも菖蒲も区別がつかないけれど、これだけ群生していると壮観です。
109 かきつばた

 群落の中には立ち入れませんが、周囲を3分の1から半分くらいぐるっとめぐって、違った角度からカキツバタの群落を間近に見ることができます。
110 かきつばた
 上賀茂神社には団体バスも来るし、観光客がすごいけれど、こちら大田神社のことはあまりご存じないのか、日本人がぼちぼち訪れて静かにベンチに座って眺めている、といった静謐な環境で花を観賞することができます。

111 かきつばた
 どうせ上賀茂神社まで行かれるならぜひ、ここまでは足をのばされることをおすすめします。ただしいま、5月上旬から中旬にかけての旬の季節に。

112 かきつばた

 新緑が目にしみ、暑くも寒くもない、心地よい5月の微風の中で、なんて心地よいお花見ができたことか。

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 カキツバタはこうして茎の生き生きした緑の中の紫としてみれば、決して派手な花ではなく、どちらかと言えば地味で、とても品の良い花に見えます。ウィキペディアによれば、尾形光琳のよく知られた「燕子花(かきつばた)図」のモチーフになったという言い伝えもあるそうです。光琳は派手な絵を描くと思われているんじゃないかと思いますが、あれは既成を根底から破砕するような独創がそう思わせるので、すばらしい品位を備えた、シンプル好みの私も大好きな絵師です。彼がカキツバタを好んだとすれば、なんとなく分かるような気がします。

114 祀り神輿
 カキツバタに見とれていると、祭の囃子が聞こえてきて、しばらくすると神社に子供たちの曳く御神輿が入ってきました。あれ?きょうは平日のはずだけど(笑)。きっとこの地域では小学校もお休みにして、伝統的な祭の行事に全員参加しているのではないでしょうか。学校の先生が引率されているようでした。

115 神輿おさめ

 御神輿を本殿に返し納めに来たようですね。
116 みこしおさめ
 どんどん神社の本殿へ上がっていきます。
117 本殿
 本殿に収まった御神輿。
118 本殿
 子供たちはここで休憩し、もうハッピを脱いでもいいよ、と言われていました。

119 木漏れ日

 木漏れ日の参道。素敵な神社です。
120  大田神社鳥居 
 神社の鳥居。
121 大田神社入口

 上賀茂神社前の店(下の写真)で、やきもちとオハギをお土産に買って帰りました。
やきもち



 

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葵祭 行列百態 2019

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 5月15日(水) 午前11時10分、府立芸術文化センターの前あたりで少し待っていると、葵祭の行列の先頭がやってきました。京都御所を10時30分に出て丸太町通から河原町通を北上して出町橋をわたり、下鴨神社に11時40分に入ります。ここで社頭の儀というのを行って、14時20分に下鴨神社を出発して、下鴨本通から北大路通を西へ、加茂街道を上がって御薗橋から上賀茂神社に15時30分に入る予定だとのこと。行列はおよそ500人。

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72  第64代斎王代は負野(おうの)李花さん(23歳。左京区。会社員)だそうです。下京区にある負野薫玉堂という香製造販売を経営する方のお嬢さん(次女)だそうで、同志社大卒、村田製作所にお勤めとか。とても美しい斎王代でした。

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  京都三大祭と言われる、葵祭、祇園祭、時代祭のなかで、これまで一番親しい感じがしていたのは祇園祭ですが、どれが好きかと言われれば、この葵祭が一番好きです。

 神事としての性格がいまも比較的よく保たれて、行列もシンプル。源氏物語に描かれたように、この比較的地味な祭の行列を見ようと押しかけて車争いをしたなんて、もちろん光源氏をめぐるさや当てが原因ではあるけれど、きっとこれが年に一度の唯一の大イベントで、ほかに楽しみのなかった時代のことだからでしょう。

 源氏物語の時代からえんえんと受け継がれてきたこの行事、へんに俗化させずにこのまま未来へ引き継いでいってもらいたいものです。もちろん祇園祭も核心にはそれ(神事)があるからこその祭なのですが・・

































































 
 

saysei at 00:35|PermalinkComments(0)
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