2005年03月27日

旭山動物園

59788685.jpg

旭川に来ています。
今朝は雪がちらつく中、開園時刻の2時間前に旭山動物園へ行ったのですが、もう10人くらい門前にたむろしていて、それからは続々。30分前までには観光バスが6?7台勢揃いして、一挙に列が倍に。20分ほど開園を早めて、深い雪の積もる園内へ。

冬季最大の呼び物は、ペンギンの園内団体行進です。雪道の両側で見守る私たちの目の前を団体でヨチヨチ歩きしていくペンギンには何とも言えない愛嬌があって、みんなこれだけでも来園した甲斐があるといった表情。
ほかにもペンギン館、シロクマ館、アザラシ館、猛獣館、オランウータン館などに、動物園の展示革命と言えそうな工夫があります。

ひとつは動物を物理的に来園者に近づける工夫。
二つ目に、動物の習性に沿った自然な動きができる空間を用意し、これを来園者が様々な視点から見られるようにしたこと、
第三に解説を幼稚園の先生が園児に提示するような手書き文字にヘタウマ風のイラストで通していることです。

それは古い牢屋型展示と違うだけでなく、それに対するアカデミックな反省に立ったいわゆる「生態展示」とも決定的に異なります。この革命のポイントは、設計思想の中に、初めて来園者が捉らえられたことにあります。

理屈はさておき、閉園までの3時間余、童心に返って楽しみました。来園者の表情がこんなにみんな幸せそうなのをみたのは、東京ディズニ?ランド以外にはありません。
来てみるまでは、生態展示ならいま新しい動物園ならたいてい採用しているのに、なぜここだけそんなに話題になるの?と思っていました。実際に見て、年間100万人来園して日本一の動物園と言われるのもナットクです。
でも動物はほかの動物園でみたものばかりだし、もっとお金をかけた動物園だってたくさんあるはず。いままで全国の動物園はなにをしていたのかと思えてくるほどです。

しかしそれはコロンブスのタマゴ。現場で客に接する職員の声に耳を傾け、廃園寸前の施設を徹底してユ?ザ?の視点で甦らせた園長に心から敬意を表したいと思いました。

dfba2083.jpg


at 23:04│
記事検索
月別アーカイブ