2005年02月18日

三本の映画

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今朝は青空だったのに、雨が降り出した。(写真は先斗町歌舞練場を賀茂川の東岸から)
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 今日も二人で(笑)連続3本の映画を見る。「今日も一人しか来てくれなかった(>_<)」と廊下で出合った助手さんに言ったら、にっこりして「あら、楽しそうですねぇ」・・・あのねぇ(絶句)・・これでも100本くらいリストアップして、う?んと時間かけて考えて絞り込んで、満を持してラインナップを出したんだけど・・(>_<)

 ホ・ジノ「八月のクリスマス」。?愛する人の病気による死別というテーマでは、大ヒットした「ある愛の詩」や学生時代にはやった「愛と死をみつめて」、最近の「世界の中心で愛を叫ぶ」、それに昨今流行の韓流ドラマでもみな同じだけれど、こんなにも模倣やマンネリから遠く、個性的に深く切なく、しかも後味よく描けるのだと感動する。
 
 北野武「あの夏、いちばん静かな海。」?こんな作品が北野武にあったんですね、と一緒に観た若い人が意外そうにいう。そう、このころの武の映画はすばらしかった。

 押井守「イノセンス」。?予想どおり、分かりづらかったようだ。やっぱり「機動戦士パトレイバー」を観ずにいきなりだとストーリーを追うのはつらいだろう。それに聖書の引用らしきものが散りばめられたりして、やたら理屈っぽく、ペダンチックな海老天のコロモみたいなのがついているので、それをひっぱがして、中のやわらなかな海老の身に到達するのが難しい。

 しかしこの監督の作品は、最初からじっくりたどりなおしてみる価値がある。この人は、宮崎駿とちがって、若い女性には人気が出ないのはよくわかる。けれど、とても重要な映像作家だと思う。
 三島由紀夫が黒澤明の映像表現を評価しながら、「思想は中学生ていど」と言ったけれど、いま彼が生きていれば、現代日本を代表する二人のアニメ作家にどんな評価を下すかな、と時々思うことがある。
 もちろん「中学生ていど」の思想(だったと仮にして)に拠る映像表現が超一級の作品であることと矛盾しないことを三島由紀夫は承知の上で言ったはず。私たちはその実例を、黒澤の「生きる」で典型的にみることができる。また、わかりやすさ、わかりにくさは、決してただちに価値評価を左右しない。
 
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at 17:10│
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