2005年01月07日

草間彌生展

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  Yさんにご挨拶に行き、近くの料理屋で一緒に昼食。画家が住んでいた家だそうで、その和様の空間をそのまま生かした屋内はとても落ち着く。今年からオープンしたとのこと。表通りから路地へ入ったところで、まだあまり知られていない。そこがいい、とYさん。ランチは1200円から。お正月というので少し張り込んで、その上のを頼んだ。味も合格、量も十分。久しぶりにワカサギを食べた。世情を憂えるYさんのお話しに耳を傾ける。(写真上、料理屋)

 その足で、同じところでお世話になったM先生をお訪ねする。いまは公共施設の長。審査する論文を読んでおられたところへお邪魔して、しばらくミュージアムについてお話しする。
 それから国立近代美術館の「草間彌生展」を見る。あの不気味な斑点も彼女にとっては、比喩でも象徴でもなく、本当にそう見えていた現実だったという、この作家の言葉を読んだことがある。椅子や床からニョキニョキ生えている回虫やペニスのような無数の軟体突起も、表面を覆いつくす網も、みんな彼女の目には現実として見えていたものかもしれない。そう思うとアーチストというのは本当に不幸な存在だと思わずにいられない。むろんその不幸を、正面から見てこのような形に昇華することによって、彼女は乗り越えてきたのだろうけれど。
 インパクトはあるけれど、珍しく絵葉書や図録を買う気持ちにはなれなかった。かわりに、売店でユスターシュの映画のビデオと、ダムタイプのメモランダム(DVD)を買ってきた。ここの売店もこういうものを置いて、だんだん良くなってきた。ナム・ジュン・パイクなど、ほかにほしいDVDやビデオがあったけれど、財布がからっぽになってしまった。福澤諭吉もどんどん使いでがなくなっていく。(写真下、国近美・階段の草間彌生仕様の赤い斑点つき窓越しの疎水)
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at 18:00│
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