2025年04月15日

きょうの日経新聞から

きょうの日経新聞から

⚪️裸の大将

 不正な金儲けで成り上がった、金儲けとなりふり構わぬ権力闘争しか知らない、経済音痴の裸の王様が、裸だという勇気さえなく、へつらうしか能がない阿呆の取り巻きにおだてられて、世界の政治、経済、社会に場当たり的な混乱を引き起こしている。
 
 その結果最も打撃を受けるのは裸の王様の国であり、彼の岩盤支持層らしい無知無学でいずれ近いうちにはロボットやA Iに置き換えられる貧困な白人の単純労働者たちだ。
 彼らは最後までラッパを離さなかった木口小平のように、死ぬまで気づかずに裸の王様を絶賛しつづけるだろうが。
 
 しかし、裸の王様の国は急速に世界での信頼を失い、あらゆる領域で存在感をなくし、長期的には確実に三等国に成り下がるに違いない。結構なことだ。とことんやりなはれ。
 
 わが国やお隣の大国に本気で迷惑をかけるようなら、すぐに両国が最大の保有国である米国債券をちょいと売り浴びせてやれば良い。

 わが国がやらなくも、対等に向き合う建前のお隣の大国は国民と世界に対するメンツにかけても裸の王様に跪くことはなかろうから、いざとなればやるだろう。

 そうすればもう裸の王様が世界で威張っていられる根拠は何もなくなる。すべてを失う。

 物価は高騰し、しかし長期金利は高騰、世界不況でかの国は強烈なスタグフレーションの下降スパイラルに巻き込まれて沈没するだろう。
 
 株も国債も通貨もトリプル安で、かの国民の金融資産の4割も5割も占めるこれらリスク資産の価値が全て下落することは自明の理で、それでも裸の王様が王様でいられるかどうか一幕ものの笑劇としては見ものだ。

 石破首相の対応はいまのところ否定すべきところはない。不確定性最大の局面で、慎重かつタイミングを失せず、それなりによくやっている。

 この際、かの国の外圧を奇貨として受け止め、これまで利害関係者と結託して利と権力にしがみついてきた党内のどうしようもない「農水族』や個々の農民からの搾取で暴利を得て巨富を積み上げてもう一つの巨大金融機関として余計な権力と化し、抵抗勢力と化しているJAを徹底的に叩き、解体へと導く手がかりとするしたたかさを石破には期待したい。この際、全国一律サービスを口実に生き延びている何の役にも立たず、ますます不祥事を重ねるばかりの巨大ゾンビ企業^_郵政グループも、徹底的に解体に追い込むべきであり、全国郵便局長会だの何だの、国民的利害には何の関係もない業界団体と、これに癒着した反国民的な政治家をこの際一掃してしまおう。

 この外圧は百年に一度の、国内の不合理な制度、慣習、政治権力と結びついた既得権の固執、肥大し改革の最大の阻害要因と化している組織、権力構造を一気に片付けるまたとはないチャンスだ。これを逃す手はないし、前の小泉首相なら必ずや考えたはずだ。国内向けには国難だ国難だと騒ぎ、外圧をうまく狙いの水路に導いて、かの国が求める非関税障壁などみな撤廃してやれば良い。それで国内のゾンビたちを一掃できるなら、将来のために百倍の改革ができ、百倍の利益をもたらすだろう。

 そんな真にわが国の将来の為の英断が下せるなら、賢明な国民は絶対に圧倒的に支持するだろう。ちまは、そんなヴィジョンを示せる政治家が1人もいない。
 
 日米交渉の代表に送り込んだ赤澤は官僚としては有能かも知れないが、視点(文字通り彼の顔についている両眼)が定まらず、裸の王様に向き合って、肝を据えて渡り合えるだけの胆力、最後にはものをいう総合的な人間力、強さ、スケールの大きさを備えているかには不安があるが、頑張ってもらうしかあるまい。
 
 しかし、いま石破を引きずり下ろそうとするような馬鹿は、与野党を問わず政治家の資格がない。

⚪️お馬鹿な大衆に迎合するお馬鹿な政治家たち

 はっきり名指すことにしよう。「お馬鹿な大衆に迎合するお馬鹿な政治家」とは、国民民主党の不倫男玉木であり、自民党の松山参議院幹事長であり、高市早苗であり、公明党の斉藤鉄夫であり、立憲民主党の江田憲司元代表代行といった輩で、与野党を問わず、裸の王様のご乱行を口実に、またぞろ選挙目当ての消費税率引き下げや現なまバラマキなどを唱えるお馬鹿の極みを演じている。国民の50%を越える人々が、バラマキ現金給付に反対しているにも拘らずだ。自らの欲望に自制的で賢明な国民と、愚かな「迎合」政治家たちちとの知的落差はここに極まっている。

 彼らは迎合主義者は、子供や孫の世代に対する責任を負うなどということは考えたことさえなく、それどころか玉木に見るように、目の前の野放図なズルズルの出費に対する財源さえ考えもせずに、そっちは政府に丸投げしておいて、自らはお馬鹿なSNSインフルエンサーらに自分の無責任極まりない迎合的な煽動を「拡散して下さい」などと醜悪な媚態をさらし、フェイクな情報拡散で大勢のお馬鹿たちを獲得しさえすれば「勝てば官軍さ」と思っているらしい。

 彼らは国家の将来も国民の将来も一顧だにしないで、ヴァーチャルな世界で肥大して一部の阿呆たちの弱い脳に巣喰った現実的な力に自らを委ねているだけの、人間を自らの使い捨て道具としか見ない典型的な人間道具主義者だ。

 彼らが自らの集客、集票マシーンとして、時にはライバルを超法規的に攻撃し、抹殺するために利用するのは、目先の損得しか目に入らない。鬱屈を抱え、嫉みややりどころのない鬱憤を全て他人のせいにして匿名群の中に隠れて個人を誹謗中傷することに淫靡でサディスティックな歪んだ悦びを覚える類の〈変態〉的な加虐性に満ちたものたち。

 大衆迎合の輩、いわゆるポピュリストとは、これらの輩の心に鬱積したあらゆるネガティブな感情を呼び起こし、その底知れない暗さ、宛てどころのない憤怒、敵意、攻撃性等々を煽動し、その爆発的情動が肉体を得て、時に法をも社会的なルールをも超えていく攻撃力、突破力をそなえた現実を動かす諸力と化したとき、これを利用して、自らの力の源泉にする古くて新しいファシストたちだ。

 こうした非国民的な迎合政治家に対して、まともな政治家はまだ居るだろうか。それは減税だの現金給付だの騒ぎ出した正真正銘のお馬鹿と最小限の区別を立てるだけで、いまのところは簡単にわかる。

 その意味で最悪の迎合主義者ではない、お馬鹿たちに右往左往せずに自分の頭で考える慎重さと賢しさを備えた政治家は、立憲民主党枝野幸夫最高顧問、野田代表、自民党の石破首相、森山裕幹事長といった面々だ。

⚪️令和の米騒動のお馬鹿役

 今回の「米騒動」(米価の高止まり)の原因が米の実需要に対する生産量不足にあり、政府農水省の生産調整の失敗にあることは、先日日経新聞に掲載された専門家が示したエビデンスを伴う鮮やかな論理で完膚なきまでに明らかにされてしまった。

 ところが驚いたことに、官僚や政治家はよほど不勉強と見えて、日経のまさに問題の米騒動の原因を解き明かしたこの論考さえ読まないらしく、江藤なる農水大臣はいまだに米不足や高止まりの原因は流通過程で生じた一過性の流路詰まりだと考えて、何処かに隠れている米が出てこないかと、米詰まりの流路を点検したり、毎月呼び水を撒くとか、トンチンカンな対応を繰り返すばかりで、当然ながら米価は下がらない。

 これで江藤大臣がお馬鹿に見えないなら、そのほうがよほどおかしかろう。

 ついでに江藤大臣には、今日の同じ欄に掲載された食品価格全般の高騰の背景を解説した坂爪浩史の記事にも目を通しておくといい。経済学の常識を書いたような記事だが、彼のレベルにはちょうど良いだろう。

⚪️口直し

 お馬鹿のことばかり書いたので、最後にべらぼうに賢い人(たち)に触れて口直ししたい。

 まずはOpinions欄で村山恵一が紹介する加藤泰弘東大工学部長であり、日本領海の海底に見出されたレアアースを含め球状鉱物マンガンノジュールだ。
 
 日本領海内の海底には数多くの貴重な鉱物資源が眠ることは、すでに何十年も前にその種のことを書いた本を読んで知ってはいたが、採掘コストなど考えれば、実際に資源として活用するにはまず半世紀、下手をすれば1世紀を要するだろうな、と思っていた。

 しかし記事をよめば、近年の半導体産業に不可欠ながら、供給源が中国に偏るレアアースの塊があるらしいから、的はせまく搾られ、現実的な採掘の方途も見出せるらしい。

 そうなれば資源の量ではなく、今世界の先端産業を牽引する核心技術に不可欠な稀少資源として他を圧倒する質的価値をもつ資源をわが国が手の内に収めることになる。

 加藤はもともとは理学部の地質学者で(それだけでも親しみを感じる)、40億年の地球史を研究していて、ある意味では「偶然に」レアアースと出逢ったようだ。
 
 ロマンに満ちたこの出逢いも、起業家との出逢いのエピソードも好ましい。

 マンガンノジュールは将来の日本を救い支える柱となるかも知れない。

 いまひとつは、「サイエンスフロンティア」のぺージに掲載された、国内の25大学、研究機関のもつ、半導体などの材料開発に役立つ実験データ100万件を9月までに有償公開する、という事業だ。

 大学といえば各大学、各研究者で学術研究を競い、成果は誇っても、そこに至る過程をつぶさに公開することはなく、おのれのもとに囲い込んで、学問によってはその秘匿性、情報独占をこそ武器に学界での権力を維持する向きさえあった。

 ましてや大学などの組織に属さない在野の研究者がそうした情報にアクセスすることはほとんどできず、組織の研究者はその知的特権に胡座をかいている自身に無自覚であることが、多かった。

 しかし、ことに最近の先端科学、技術の世界では、もはやそれではやっていけない状況が訪れ、実際にそうした研究開発の第一線にある者はみなそれを切実に感じていたに違いない。
 
 今回の事業は開発の歴史、知の歴史に画期をもたらすと同時に、あらゆる領域にこの動きが広がっていく嚆矢となるべき事業だと思う。関係者らの志と努力にこころから敬意を表したい。


⭐️少し事情あって、しばらく「Saysei の京都日記」プログを突然中断して、時折り読んでいただいていた方にご心配をかけたことをお詫びいたします。
 同じ私が運営する別のカテゴリーのブログ(「手ぶら読みの哲学ノート」)には、「ヒポクラテスの『医術』」というギリシア古代の医術者を根底から読み直す作業を、またかねて連載してきたいまひとつのカテゴリーに属するブログ「半知の医」には私の現在を通した、患者の目で見る医療論を掲載し、いずれかは毎日執筆しています。  
  
 もしも、私の考え方に幾らかなりとご関心を持っていただけるかたがあれば、いまアクセスしにくいとは思いますが、偶然読んでくれた友人によれば、なんとかいずれにもアクセスできて、全部読めたそうですから、読む価値があると思っていただければ、私が今の自分の体力、気力のすべてを挙げて100%力を出し切って集中している原稿をどうかリアルタイムでお読みいただければと存じます。

 いずれ、その機会があればこのプログもまた、再開するつもりですが、いまは少しゆとりなく、ふたつのカテゴリーの記事の連載に集中させてください。ありがとうございます。




saysei at 23:10│Comments(0)

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