2025年01月19日
イカワタの塩焼き

久しぶりにイカワタが出ていた、と言って、わたしの大好物を買って来てくれました。アンコウにしろフグにしろカワハギにしろ、秋刀魚にしろ、なんでこうハラワタってこんなに美味いのでしょう!しかもコレステロール値の高いわたしのような人には一番悪いらしいのです。体に悪いものは美味しい、というのはどうやら一般原則のようですね。

鯵の南蛮漬け。小さな小鯵の処理は手間らしいけれど、こうしてもらえると骨まで全部ムシャムシャ食べてしまうことができます。上賀茂のネギやショウがと一緒に食べるとほんと、美味しい。この甘酢の調整は、秦家住宅の秦めぐみさんの料理の本が元ネタだそうで、秦さんの味付けは素晴らしいとパートナーはいつも感動しています。

チンゲン菜と椎茸のクリーム煮。昨日上賀茂の自動販売機でゲットしてきたチンゲン菜がさっそく活用されて、とても美味しかった。

蒸し鶏。からし醤油をつけて、蒸し鶏のスライスでタマネギやラディッシュやネギを巻いて一緒にいただきました。

伊達巻。お正月に店で伊達巻を買おうと思ったら、一本800円もしたので買わなかったのだそうで、ネットのレシピを参考にして、わが家でいつも使う美味しい玉子とはんぺん(って言ってたかな)を長男がくれた調理器(なんでも器の中で攪拌して粉状にする何とかいう調理具)を使って作ってみたら、ちゃんとできたよ、見かけは市販のものと変わらない綺麗な伊達巻が一本できていました。材料費は100円くらいだそうです。こうして切って、ひときれ食べてみると、卵が新鮮で美味しいせいか、市販のものではこの味は出ないだろう、と思うような交じりっ気のない新鮮な玉子の味がして美味しかった。

残っていた最後の一個のスグキ、でも昨日、幸い戸田農園さんが古漬けを出してくれていたから、3つは買ってきたと思うので、余裕でいただけるのが嬉しい。
下に一部が見えている五目豆の煮ものは、先日パートナーが市販のちょっと豆が黒ずんだような同じ五目豆の煮ものを買ってきたのですが、食べてみるとやっぱりかなり味がひどかったので、自分でつくることにしたようで、やっぱり全然違った、美味しい料理になっていました。まあわが家の味ということで好みに合うからでもあるのでしょうけれど・・・
(以上でした)
きょうは図書館で借りて来た「小右記」の最後の一巻、第16巻を拾い読みしながら必要なコピーをとって、これで全16巻、順次ひととおり借りだしたことになりました。読むのはまだそのときどき関心をもった出来事に関する部分だけの拾い読みですが、できれば全部読んでみたいなと思っています。
同時に借りて来た村井康彦さんの『平安貴族の世界』という本の受領に関する学生との架空対談のスタイルで書かれた部分を読んだのですが、これまで知らなかった国司の姿というのが非常に懇切丁寧にわかりやすく説明されていて勉強になりました。ずっと以前に、故・守屋毅さんの猿楽から近世に完成をみる歌舞伎の興行形態やそれを担う組織の成り立ちや変遷、それを支える劇場のありようなど、当時シンクタンクにいて劇場計画に携わっていたわたしが知りたかった歌舞伎の興行や劇場の歴史についての本格的な研究書を読んだとき、素人の私がまさにそこが知りたい、と思うようなポイントになる情報が非常に的確に記述されていることに感銘を受けたことがありましたが、この村井さんの本も、受領の実際がどういうものであったか、任地に下向しない遥任国司とはどういうものだったのか、また国司四等官の司、介、掾、目それぞれに応じてどのような割合で俸料を得ていたのか、都から任地までどうやって、どのくらいの日数をかけて行ったのか、といった具体的なことが痒いところに手の届くように書かれています。
ほかのところも拾い読みしたのですが、これまで「光る君へ」と共に読んできた国史や道長、行成、実資の日記などで色々気になっていたこと、たとえば火事が頻繁に起こっているけれど、これは他の時期と比べて多いのか、それともいつもこんなものだったのか、一体どの程度起きていたのか、あるいはいまでいう天然痘らしい疫病の流行についても庶民はむろんのこと公卿にも多くの死者を出し、しかも流行が繰り返し襲ってきているようだけれど、いったいどの程度頻繁にあって、どの程度の死者を出したのかといったこと、さらにいったい朝廷で働いていた官吏って、どのくらいいたんだろう、とかいったごく素朴な疑問が誰にだって湧いてくると思うのですが、歴史の専門家でもなければ特別に歴史学に興味がある人間でもなかったので、専門書をひもとくことはごく特別なテーマについて以外にはなくて、高校の日本史の教科書を除けば、一般的な日本史の各時代ごとに一巻を当てたような文庫でしかほとんど読んだことがなかったので、そういう本にはわたしのような素人が素朴に抱く疑問に答えてくれることはごくまれだったので、こういう本に出合うとほんとにうれしくなります。
高校のころでも、先生は面白い話をしてくれる先生でしたが、じゃここに出てくる道長の屋敷はどのくらいの広さで、どんな間取りだったんだろうとか、何人くらいの人が住んでいたのだろうとか、彼は一日をどんな風に過ごしていたんだろうかとか、毎日どんなものを食べて、それは市場でどれくらいの値段で買える食材だったんだろうとか、彼の収入はどの程度だったんだろうとか、そんなことは全然教えてもらった記憶もないし、とても今の自分たちの身近に感じることはできず、あくまでもテストや入試用の「知識」として受け止め、おぼえただけだったように思います。この本にあるようなほんとに知りたいことが話され、さらに新たな素朴な疑問をかきたてるような授業であったら、わたしもきっと歴史を「暗記物科目」なんて思わずに、もっと楽しめただろうな、好きになったかもしれないな、と思ったことでした。
この本は分厚いし、たくさんのデータが表や図になっているので、これはもう少々のコピーでは間に合わないな、と思ったので、早速アマゾンで安い値段で出ていた古本を発注しておきました。ほかのところもゆっくりまた読むのが楽しみです。
saysei at 22:38│Comments(0)│