2024年11月07日

トランプの返り咲き

 昨日夕食後のブログを書いて階下へニュースを見に降りたら、アメリカの次期大統領がもうトランプに決まった、というので少々驚きました。大接戦で、結果がわかるまで最小限数日はかかるだろうし、下手をすれば訴訟沙汰で票の数え直しや判決がでるまで分からないなんてことになりそうだ、と聞いていたので、票数は接近しているにしても、過半数をとったことが判明するスピードからいえば、これはトランプの圧勝と言ってもいいくらいでしょう。これまでは選挙制度のせいでトランプが勝ったときでも、全米の投票総数ではトランプのほうが少なかったりしたようですが、今回はそれもトランプのほうが多かったそうですから、文句なしの勝利です。がっかり・・・(笑) 別にハリスを積極的に応援していたわけではないけれど、トランプのような人物が米国のトップになり、国際社会にも影響を及ぼすというのは、やっぱり困ったことだと思っているからです。

 しかし、バイデン政権の間、インフレが昂進して人々の生活が困窮し、ますます格差社会が危機的な状況になったことと、移民政策を誤ったことで多くの国民の反感を買っていたのでしょう。明日の暮らしが成り立つかどうかを思うことで手いっぱいの圧倒的多数の国民が世界の明日や他国の戦争の犠牲者に想像力を馳せるゆとりはないし、それがまさに庶民の庶民たる所以でしょうから、仕方のないことです。われわれが安部の長期政権を許してきたのも同じことだと思います。

 私の漠然とした接戦予想の気分はまったくはずれでしたが、テレビでコメントして、常に「ほぼトラ」と主張し、投票日前日には「100%トランプ」と自信たっぷりに言っていた老ジャーナリスト木村太郎は完全に正解でした。やはり長年プロの目で見てきた者の目の付け所は違うということでしょう。

   石破の不器用さは安部のようにトランプとうまくやっていけるとは思えないし、安部は選挙前にトランプに会いに行くだけのゆとりと要領の良さがあったけれど、石破には国内政治もコントロールできず、そんなゆとりも要領の良さもなかったから、すべてはこれからで、けっこう大変でしょう。日本はますます従属国扱いで、対米輸出には他国同様に高い関税はかけられるは、工場誘致は強引に迫られるわ、国内の米軍基地に関する経費負担の上乗せを迫られるわ、いまの時代に役に立たない米軍の使い古しの戦闘機やら当らないミサイル迎撃システムやらを高い値段で買わされるに違いありません。そしていざ台湾有事なんてことになれば矢面に立たされて紛争に巻き込まれるだろうし、ならずもの国家が核を使うようなことになっても、米国は自国の安全を犠牲にしてまで日本を含めて他国のために戦うなんてことはありえず、トランプが公言するとおり「アメリカファースト」を貫くでしょう。要はろくなことがない、ってことで、気の滅入る話ですね。

saysei at 09:11│Comments(0)

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