2024年10月11日
トリュフ

先日長男が来た夕食時の雑談の中で、テレビで日本でもトリュフがとれる、ってな話で、どこやらのおじさんが道端に生えているトリュフを見つけて、これだよ、なんてやっている映像を見た話をしていて、パートナーがまだ食べたことない、と言っていたら、長男がどこやらに発注して、きょうそれが届きました。早速パートナーはトリュフの味や香りが直接味わえるようにと夕餉のメニューをあれこれ考え、長男も来て夕食となりました。

私は、フランスでまだ団体旅行の一員だった時だと思うけれど、食べた記憶が最小限一度はありましたが、なにかのグリルみたいなのに一緒に付け合わされてたので、そんなに味や香りが印象にも残らなかったし、何も覚えていませんでした。こんなふうに生のトリュフを一個まるごとの姿でみるのは初めてです。これは上の右のをひっくり返したところ。大小の栗くらいのサイズだったでしょうか。

それほど強い香りではないけれど、ちょっとほかには嗅いだことのないような、独特の香りがたっていました。パートナーは、やっぱり森の匂いだ、というふうなことを言っていました。長男によれば、ポテトチップの香りだか味だかに似ている、という人もあるそうですが(笑)、なんとも表現するのが難しい香りです。味よりもクルミに似た触感の方が強く印象づけられます。

スライスした切り口は、まさしく茸ですね。

こうして焼いてバターを塗ったバケットの上にカナッペのようにトリュフを載せていただきました。
もうひとつは、写真を撮り忘れてしまったようですが、ポルチーニと茸のリゾットにトリュフをのせていただきました。パスタにしてもよかったのですが、トリュフの味や香りが茸のリゾットのほうに合うだろうし、その味や香りがひきたつだろうと考えたようです。ただ、もともとその味や香りがそれほど自己主張するようなものではなかったので、一番直接に味わえたのはこのカナッペ風の食べ方で、じかに触感と生の味を舌で味わうやり方だったように思います。
ただ、正直のところ、私にはたしかに一生に二三度口にすることがあるかどうか、という珍しい食べ物ではありますが、地元でこのきのこが生えるフランス人ならともかく、なぜ日本人までがやたらこれを珍味としてありがたがるのかは、よくわかりません。同じ茸でも松茸なら味はともかくも香りの高さは断然上でしょうし、味では徳島の椎茸を焼いて醤油漬けて食べるほうが、はっきりした味と香りで美味しく感じられるし、鮒ずし、へしこ、スグキと醗酵食品にはいくらでも美味しい味がそろっています。パートナーがSNSでみた記事では、日本にきたポーランド人が、食べてその味うっとりしているというのが、<カジキの炙り>だとか。味はもう国境をとうに超えて世界共通になってきているようで、フランス料理だからと特別に神聖視するような時代はとっくに終わっているんだろうと思います。
しかし何はともあれ普段絶対食べないトリュフなんて珍味(とされているもの)を直接手に触れ、舌に触れていただくことができたのは貴重な経験でした!

チーズもあまり自己主張の強くない、あっさり味のチーズを使いました。

メインディッシュは、シナモンと八角の隠し味で香りを生かしたチキンとプルーンウヰスキー煮込み。柔らかに煮込んだ鶏肉にプルーンを一緒に少しずついただくと、とても美味しい、わが家の定番になった料理のひとつ。

これは昨日わが家に集ったパートナーのお友達の一人が持ってきてくださったシャインマスカットと、わたしが上賀茂の野菜自動販売機でゲットしてきた新鮮なラディッシュ。
そして、これも写真を撮るのは忘れてしまいましたが、デザートには昨日もお友達に出したパートナーの焼いたタルトタタン・ケーキ(一般の林檎一個丸ごと使うタルト地のタルトタタンではなくて、タルトの代わりに何だったか、小麦粉にかえてくるみの粉といったっけなぁ、なにかを使って美味しくした、タルトタタン風のケーキなんだそうです)と、ウィッタードのオレンジブロッサム・ティーをいただきました。きょうの夕食は長男もちこみのトリュフを中心に、最後のデザートまで、相互によく調和のとれた魅力的なメニューでした。自分たちではとうてい買って食べようなんて気をおこさないだろうトリュフでしたが、長男のおかげでパートナーも一生食べずに終わった、ということなく、無事堪能することができたようで、きょうは終始御機嫌でした。
彼女は一昨日だったか3本のケーキを焼いてお友達を待っていましたが、お友達の中には甘いもの好きで、いっぺんに三きれ食べてまだ物足りぬ様子の方もあるようで(笑)、瞬く間にストックがなくなってしまったらしく、明日はまたいつものように焼かないと、と言っています。
お友達がたも、「このケーキを息子が楽しみに(家で)待ってるのよ」とか、「うちのひと(ご主人)も楽しみにしてるねん」とかおっしゃるので、わずかずつでもお持ち帰りいただかないとおさまりがつかぬようで(笑)・・・
きょうは昼近くに、昨日図書館で借りた「日本文徳天皇実録」をコピーしている最中に、急に気分が悪くなってきて、嘔吐しそうになったので、あわててしばらく横になってやりすごしました。午前中はなんと一度に3冊もマーケティングプレイスに出品していた不要本が売れて、郵便ポストや宅配業者の営業所へ送りに行き、ついでにカナートで買い物をしたり、少し自転車で近くをまわったために疲れが出たのか、それとも以前にもあったように、急に血糖値が低くなったせいか、原因はよくわからないのですが、いろんなことが起きるものです。幸い吐かずに済み、しばらくじっとしていて、昼食のおむすびやいつものフルーツヨーグルトも無事食べることができました。
そんなわけで今日は私はなんだかフラフラしていて気分がすぐれず、先日読み始めていたフーコーの「処罰社会」をほんの少し読み進んだだけで、他には何も読み書きの楽しみができず、プライムビデオの東映オーダーだったか、前に少し見ていた「影の軍団」でしたか、まだシリーズ1の5つめくらいで、全部見ようと思えば先が長いけれど、つまらないと思いながら、なにもせずにすむから、退屈しのぎにただ流してみていました。千葉真一もふつうの顔はあの湯屋のおやじみたいに、あまりしまりがなくてカッコよくない(笑)。忍者よろしく黒づくめの戦闘服に身を固め、覆面から太い眉に鋭い目だけ出してキッとした目つきをしていれば、体の動きはいいし、カッコよくて私は好きなほうなのですが・・
saysei at 21:59│Comments(0)│