2020年02月16日
「テセウスの船」と「刑事モース」
ニュース以外のテレビはあまり見ない私、いまはもっぱら新型コロナウィルス関係のニュースにへばりついていますが、唯二つだけ、毎週テレビドラマをみています。
その一つは先ほど放映されていた「テセウスの船」です。日本のドラマを見るのは久しぶりな感じですが、タイムスリップによる奇想天外な推理劇で、SFではありふれた設定なのかもしれませんが、うまく家族や地域の人間関係のドラマに仕立てていて、先が見えないので楽しみに見ています。
しかし、このところ一本調子にどんどん暗い話ばかりに落ち込んでいく展開で、ちょっと見るのがしんどくなってきました。どうしてこう単調に主人公を絶望の淵へ追い込んでいく展開ばかりなんだろう、という気がします。もう少し浮き沈みがあっていいし、本筋でそれが無理でも、ドラマの中にほっとする要素や笑いを誘う要素があってもいいような気がします。
そんな感想を漏らしていたら、午後遅めから夕方食事の用意にかかる時間帯、体調が相変わらず芳しくなくて寝っ転がってもっぱら韓流ドラマを片っ端から見ているパートナーによれば、やっぱり推理ものらしい韓流ドラマで、タイムスリップするのがあって、過去の殺人事件の真相を明らかにする、というふうな似たような設定?のドラマがあるらしいのですが、そちらはとても起伏に富んでいて、ひとつ問題を解決するとパッと明るさが取り戻されるし、笑いが出る場面もあって、見ていて飽きない語り口の巧みさがあるとのこと。
残念ながら日本のドラマ作りは、かなり以前から韓流にずいぶん遅れをとってきたようで、この種のエンターテインメントで毎回画面に引き付けてやまない展開は、とうてい韓流には敵わないのが実情のようです。あまりいい脚本家が育っていないのかもしれません。
韓国は今回英語以外の言語による映画で世界発のアカデミー賞の作品賞をとったほか、カンヌをはじめ世界中の映画賞を総なめしている「パラサイト」に象徴されるように、非常に高い水準の作品を続々と生み出しているようですが、それはもちろん個々の作り手の才能や努力あっての話ではあるけれど、少し視点を引いてここ何十年かの韓国の文化政策を眺めてみれば、国家的な戦略として映画製作に力を入れ、資金も人材もそこに流し込んできたことの結果なのでしょう。
残念ながら日本は映画はもちろん、文化政策全般に貧相で、いまの安倍内閣などは「文化で儲けろ」主義で、国家予算を文化に注ぎ込むつもりなど端からないようですから、今後も個人的な才能で劣悪な環境を個々に突破する人はいても、大局的に見れば日本の映画も創造的な局面では凋落傾向をとめられないでしょう。文化だけではなく、学問のほうも、iPS細胞の研究の予算を打ち切るよ、と唐突かつ一方的に山中教授を密室でつかまえて申し渡したという、公費で京都へ不倫デイト旅行して、どこやらのカフェかレストランで「あ~ん」したり、してもらったりしていたお役人がやったように、全般に「底上げ」の真逆の「底下げ」を図っているありさまで、こちらも基盤崩壊の危機にあります。
だから日韓のテレビドラマを比較してみれば、個々の作品の出来不出来を直接それで云々することはできないにしても、大まかには「日<韓」の格差がどんどん広がっているのを実感せざるを得ないし、それはもう個々の才能のがんばりではどうにもならないところまで来ているのかもしれません。
「刑事モース」の方は、晩年のモースを描いたシリーズの最初1,2回見たときは、そう感心しなかったのですが、回を重ねてみるうちに、非常によくなって、老モースが死んでしまうのが残念で仕方がなかった。でもそれで終わっちゃうのかと思ったら、続けて翌週(先週)から、また若き日のモースの続きが放映されはじめたので、これはとびついてみています。
いくつかの登場人物のシーンが最初関連が分からないままに、並行して断片的に描かれるので、非常にわかりにくい点はあるけれど、じきにそれらがつながってきて、いい脚本の出来具合を実感させられることになります。結構複雑な構成でもあり、内容的にも奥行のあるテーマを扱っていて、刑事ものとしては出色の出来です。「刑事フォイル」、「バビロン ベルリン」そして「刑事モース」、いずれも素晴らしい出来で、前二者の新シリーズも、とても楽しみにしています。

昨夕のメインディッシュ。骨付ラムのロースト。

ほうれん草、茸、ベーコン、ニンニクのクリームパスタにフキノトウ。フキノトウの香りが素晴らしい。

ウド入り野菜サラダ。

こちらは今日の夕食。子持ちカレイの煮つけ。

野菜と豚の天ぷら。

ほうれん草の胡麻和え。

芋煮。

胡瓜とウドの酢味噌和え。

これは一昨日の夕食。サワラのカマの塩焼き。

同じくおかわり皿。

スジコンニャクの煮物。

ポテトサラダ。

ワケギと焼きアゲのカラシ酢味噌和え。

大根と人参の膾。
モズク酢。
新型コロナウィルスは完全に国内市中感染の段階に突入のようですね。
政府の対応はずっと後ろ手にまわっていて、今回もようやく、という感じです。しかも、まだ湖北省など中国人との接触者を示唆する「接触外来」を各診療所で設けて・・なんてことを言っています。
怖いのはそういう感染源を特定することもできない、突然の(と本人たちにも思えるような)発症で、今それが全国各地で起き始めている。だから熱が出たらこちら、熱が高くなくても咳やだるさの継続や呼吸器の異常など他の兆候でもあればこちら、と多様な症状の現れに対応した、一般患者との仕分けができる受け入れ態勢を迅速に整えることが大切なのに、また先のように「武漢の人と接触がないなら検査できない」なんて突っぱねたと同じ過ちを繰り返すことになるでしょう。
厚生省はよほど頭の悪い人がやっているお役所なのか、見ていてハラハラしどうしです。素人でもわかることで、テレビに登場する専門家が口を酸っぱくして繰り返し言っているのに、なぜ専門領域であるはずの厚生労働省の大臣や官僚が分からないのでしょうね。
それにしても、いまだにクルーズ船の船長がどんな人なのか、それがどんな判断をして、船内の管理をどう指示しているのか、全然おもてに出てこないのが本当に不思議です。まるで船長なんていないみたい。しかし、あるとき船内で乗客が撮ったらしいビデオで、船内放送らしいものが流れて、船長です、というような言葉がチラッと聞こえたので、船内放送には登場しているようです。
本来なら船の中を一番よく知っていて、危機管理についても適切な判断をして指示を出すべき責任や権限を持っているはずの船長なのに、その姿が見えてこない、というのはどういうわけなのでしょう。日本のメディアもそのことを問題にしていないのが、まことに不思議でなりません。
乗員間の感染など、初期の船長の船内管理の指示が適切であれば、いまのようなひどいことにはならなかったのではないか、と考えてしまいます。
クルーズの客と乗員は全員ウィルス検査することになったようですが、遅きに失する感があります。先に書いたように、香港では3500人からのクルーズ船の乗客、乗員のウィルス検査を4日間で全部終えて、陰性と判断して下船させた、と数日前の朝日新聞に出ていました。
横浜のクルーズ船の乗員、船客3700人へのウィルス検査は、15日午後8時現在で、やっと930人で、うち285人が感染していたとのことです。きょうもあらたにまた70人?だか、大変な数の感染者が加わったようです。
香港で同じ程度の人数に対する検査が4日間で可能だったのに、何故日本ではできないのか。香港に到底及ばないほど日本の検査体制は脆弱だったのでしょうか。
世界各国、とりわけクルーズ船の乗客の本国では、日本政府の対応に批判が沸き起こっているとの報道です。無理もないと思います。すべて後ろ手で、楽観的なのは厚生労働大臣の口先だけ。これは総理の責任問題にならなければおかしいでしょう。実際にはクルーズ船は火事なら初期消火のやり方がまずくて一面火の海です。国内の市中感染対策も同様にならなければいいのですが・・・
その一つは先ほど放映されていた「テセウスの船」です。日本のドラマを見るのは久しぶりな感じですが、タイムスリップによる奇想天外な推理劇で、SFではありふれた設定なのかもしれませんが、うまく家族や地域の人間関係のドラマに仕立てていて、先が見えないので楽しみに見ています。
しかし、このところ一本調子にどんどん暗い話ばかりに落ち込んでいく展開で、ちょっと見るのがしんどくなってきました。どうしてこう単調に主人公を絶望の淵へ追い込んでいく展開ばかりなんだろう、という気がします。もう少し浮き沈みがあっていいし、本筋でそれが無理でも、ドラマの中にほっとする要素や笑いを誘う要素があってもいいような気がします。
そんな感想を漏らしていたら、午後遅めから夕方食事の用意にかかる時間帯、体調が相変わらず芳しくなくて寝っ転がってもっぱら韓流ドラマを片っ端から見ているパートナーによれば、やっぱり推理ものらしい韓流ドラマで、タイムスリップするのがあって、過去の殺人事件の真相を明らかにする、というふうな似たような設定?のドラマがあるらしいのですが、そちらはとても起伏に富んでいて、ひとつ問題を解決するとパッと明るさが取り戻されるし、笑いが出る場面もあって、見ていて飽きない語り口の巧みさがあるとのこと。
残念ながら日本のドラマ作りは、かなり以前から韓流にずいぶん遅れをとってきたようで、この種のエンターテインメントで毎回画面に引き付けてやまない展開は、とうてい韓流には敵わないのが実情のようです。あまりいい脚本家が育っていないのかもしれません。
韓国は今回英語以外の言語による映画で世界発のアカデミー賞の作品賞をとったほか、カンヌをはじめ世界中の映画賞を総なめしている「パラサイト」に象徴されるように、非常に高い水準の作品を続々と生み出しているようですが、それはもちろん個々の作り手の才能や努力あっての話ではあるけれど、少し視点を引いてここ何十年かの韓国の文化政策を眺めてみれば、国家的な戦略として映画製作に力を入れ、資金も人材もそこに流し込んできたことの結果なのでしょう。
残念ながら日本は映画はもちろん、文化政策全般に貧相で、いまの安倍内閣などは「文化で儲けろ」主義で、国家予算を文化に注ぎ込むつもりなど端からないようですから、今後も個人的な才能で劣悪な環境を個々に突破する人はいても、大局的に見れば日本の映画も創造的な局面では凋落傾向をとめられないでしょう。文化だけではなく、学問のほうも、iPS細胞の研究の予算を打ち切るよ、と唐突かつ一方的に山中教授を密室でつかまえて申し渡したという、公費で京都へ不倫デイト旅行して、どこやらのカフェかレストランで「あ~ん」したり、してもらったりしていたお役人がやったように、全般に「底上げ」の真逆の「底下げ」を図っているありさまで、こちらも基盤崩壊の危機にあります。
だから日韓のテレビドラマを比較してみれば、個々の作品の出来不出来を直接それで云々することはできないにしても、大まかには「日<韓」の格差がどんどん広がっているのを実感せざるを得ないし、それはもう個々の才能のがんばりではどうにもならないところまで来ているのかもしれません。
「刑事モース」の方は、晩年のモースを描いたシリーズの最初1,2回見たときは、そう感心しなかったのですが、回を重ねてみるうちに、非常によくなって、老モースが死んでしまうのが残念で仕方がなかった。でもそれで終わっちゃうのかと思ったら、続けて翌週(先週)から、また若き日のモースの続きが放映されはじめたので、これはとびついてみています。
いくつかの登場人物のシーンが最初関連が分からないままに、並行して断片的に描かれるので、非常にわかりにくい点はあるけれど、じきにそれらがつながってきて、いい脚本の出来具合を実感させられることになります。結構複雑な構成でもあり、内容的にも奥行のあるテーマを扱っていて、刑事ものとしては出色の出来です。「刑事フォイル」、「バビロン ベルリン」そして「刑事モース」、いずれも素晴らしい出来で、前二者の新シリーズも、とても楽しみにしています。

昨夕のメインディッシュ。骨付ラムのロースト。

ほうれん草、茸、ベーコン、ニンニクのクリームパスタにフキノトウ。フキノトウの香りが素晴らしい。

ウド入り野菜サラダ。

こちらは今日の夕食。子持ちカレイの煮つけ。

野菜と豚の天ぷら。

ほうれん草の胡麻和え。

芋煮。

胡瓜とウドの酢味噌和え。

これは一昨日の夕食。サワラのカマの塩焼き。

同じくおかわり皿。

スジコンニャクの煮物。

ポテトサラダ。

ワケギと焼きアゲのカラシ酢味噌和え。

大根と人参の膾。

モズク酢。
新型コロナウィルスは完全に国内市中感染の段階に突入のようですね。
政府の対応はずっと後ろ手にまわっていて、今回もようやく、という感じです。しかも、まだ湖北省など中国人との接触者を示唆する「接触外来」を各診療所で設けて・・なんてことを言っています。
怖いのはそういう感染源を特定することもできない、突然の(と本人たちにも思えるような)発症で、今それが全国各地で起き始めている。だから熱が出たらこちら、熱が高くなくても咳やだるさの継続や呼吸器の異常など他の兆候でもあればこちら、と多様な症状の現れに対応した、一般患者との仕分けができる受け入れ態勢を迅速に整えることが大切なのに、また先のように「武漢の人と接触がないなら検査できない」なんて突っぱねたと同じ過ちを繰り返すことになるでしょう。
厚生省はよほど頭の悪い人がやっているお役所なのか、見ていてハラハラしどうしです。素人でもわかることで、テレビに登場する専門家が口を酸っぱくして繰り返し言っているのに、なぜ専門領域であるはずの厚生労働省の大臣や官僚が分からないのでしょうね。
それにしても、いまだにクルーズ船の船長がどんな人なのか、それがどんな判断をして、船内の管理をどう指示しているのか、全然おもてに出てこないのが本当に不思議です。まるで船長なんていないみたい。しかし、あるとき船内で乗客が撮ったらしいビデオで、船内放送らしいものが流れて、船長です、というような言葉がチラッと聞こえたので、船内放送には登場しているようです。
本来なら船の中を一番よく知っていて、危機管理についても適切な判断をして指示を出すべき責任や権限を持っているはずの船長なのに、その姿が見えてこない、というのはどういうわけなのでしょう。日本のメディアもそのことを問題にしていないのが、まことに不思議でなりません。
乗員間の感染など、初期の船長の船内管理の指示が適切であれば、いまのようなひどいことにはならなかったのではないか、と考えてしまいます。
クルーズの客と乗員は全員ウィルス検査することになったようですが、遅きに失する感があります。先に書いたように、香港では3500人からのクルーズ船の乗客、乗員のウィルス検査を4日間で全部終えて、陰性と判断して下船させた、と数日前の朝日新聞に出ていました。
横浜のクルーズ船の乗員、船客3700人へのウィルス検査は、15日午後8時現在で、やっと930人で、うち285人が感染していたとのことです。きょうもあらたにまた70人?だか、大変な数の感染者が加わったようです。
香港で同じ程度の人数に対する検査が4日間で可能だったのに、何故日本ではできないのか。香港に到底及ばないほど日本の検査体制は脆弱だったのでしょうか。
世界各国、とりわけクルーズ船の乗客の本国では、日本政府の対応に批判が沸き起こっているとの報道です。無理もないと思います。すべて後ろ手で、楽観的なのは厚生労働大臣の口先だけ。これは総理の責任問題にならなければおかしいでしょう。実際にはクルーズ船は火事なら初期消火のやり方がまずくて一面火の海です。国内の市中感染対策も同様にならなければいいのですが・・・
saysei at 23:07│Comments(0)│