2021年02月27日

学生のころに還ったように

 考えてみると最終的に最後の職場を離れてからは、体の不調はあるものの、外部から指示されたり、義務として課されたりすることは、確定申告くらいしかないので(笑)、ストレスがなく、毎日自分の好きなことをして暮らしているし、肉体とちがって精神に老いは無いようですから、ちょうど親の脛を齧って好きなことをしていた学生時代にもどったような状態です。

 学生時代には授業に出ないと単位がもらえないとか、アルバイトで決められた時間にはいかないといけないとか、まだ外部の何かに縛られるところが幾分かはありましたが、本を読んだり何か考えたりというのは今では義務や義理でやるわけじゃないので、完全に自分が好きでやる「あそび」の一種だし、掃除や布団の上げ下ろし、皿洗いにゴミ出し、などの家事はやっぱり夫婦での比重が、食事を作るパートナーに圧倒的に偏っているので、「ちょっとお手伝いしている」程度でしかありません。

 まあこれが隠居生活というものなのかもしれませんが、やっている中身もだんだん学生時代に還ってきている感があります。相変わらず「やりたいな」、と思っていることは、「やりたいな」のままでろくに手をつけずに棚に上げて、学生時代に読んだ本、正確に言えば少し齧ってはみたものの歯が立たずに途中でやめてしまったような、ちょっと小難しいものや、いつか系統立てて読んでみたいな、と思いながら、拾い読みに終わっていた古典に最後の挑戦をしてみたり。

 先日から読んでいる「古今集」やら「日本書紀」、あるいは少し前に筆写しながら何とか全部読んでしまった「芭蕉全発句集」などは後者だし、同じころに読み継いできたソシュール、フッサール、ハイデガー、メルロ=ポンティの言語論や、このところ読んでいるプラトン、アリストテレスからデカルト、カント、ヘーゲル、フロイト、それに先般やっと最初から最後までとにかく読み切ってこのブログにメモなど書いていたフーコーの『言葉と物』などは前者ということになります。

 もちろん読んだって、いまさら賢くはなりませんが(笑)、若い時には全然歯がたたなかった本が、年の功というのか、あるいは翻訳が読みやすい日本語になったせいなのか、ほんとに理解したのかどうかは別として、主観的にはわりあいすんなり読んで、自分に引き寄せ、ふんふん、こういう考え方なんだ、とそれなりに分かるように感じられ、この歳になって新鮮な視野が開けるような気分(もちろん錯覚である可能性は大いにあるけれど・・笑)になれるのは、けっこう楽しいものです。

 そんなわけで今日はヘーゲルの『精神現象学』を読んでいました。難しい著作だし、難しい人だけど、用語と独特の思考法に少し慣れると病みつきになりそうな魅力を持った人で、学生の頃から、わからなくても嫌いじゃなかった人なので、もう一回実質的な処女大作であるこの本あたりから何冊かは読んでみたいな、と思っているところです。コロナに足をとられたら、そこで終わりですが(笑)


今日の夕餉

★豚バラの焼肉風、サンチュぞえ
 豚バラの焼肉風、サンチュ添え

★菊菜、レンコン、ニンジン、しいたけのしらあえ
 菊菜、レンコン、ニンジン、シイタケのしらあえ

★パプリカとピーマン入りマカロニサラダ
 パプリカとピーマン入りマカロニサラダ

★蕗の薹、ユリネ、ホシエビ入り大根もち
 蕗の薹とユリネ、ホシエビ入りの大根餅

★ジャガイモ、アゲ、スナップエンドウの煮物
 ジャガイモ、アゲ、スナップエンドウの煮物

★サラダ
 グリーンサラダ

★もずく酢
 モズク酢

★蕗の薹、ふき、昆布のつくだに
 フキノトウ、フキ、コンブの佃煮

★カブの皮のぬか漬け
 カブの皮のぬか漬け
 以上でした。


saysei at 21:00│Comments(0)

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